不倫慰謝料の請求から解決までにかかる期間
1 不倫慰謝料請求にかかる期間は円滑に進んだ場合で3~6か月程度
不倫をした配偶者または不倫相手に対する不倫慰謝料請求から、慰謝料金額等についての交渉、和解書の作成、慰謝料の支払いまでに要する期間は、一般的には3~6か月程度であると考えられます。
ただし、これはあくまでも円滑に進んだ場合のことです。
解決までの期間が長くなるケースとしては、次のものが考えられます。
①相手と連絡が取れない場合や減額要素等がある場合
②訴訟を提起する場合
③相手に慰謝料の支払い能力がない場合
これらのケースにおいては、解決まで1年以上を要することもあります。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 相手と連絡が取れない場合や減額要素等がある場合
多くの場合、不倫慰謝料を請求する際には、不倫をした配偶者や不倫相手に対し、配達証明付内容証明郵便を送付して支払い等を求めます。
しかし、実務においては相手側から応答がないということもあります。
相手側としては、どうしてよいかわからずに請求を放置してしまうこともあるためです。
このような場合、後述する訴訟提起を検討することになります。
また、不倫相手において不倫をした配偶者が独身であると認識していた場合や、夫婦生活がすでに破綻している場合には、支払い義務がない旨の主張がなされることがあります。
そのほか、求償権の行使する旨の主張がなされることもあります。
このような状態になると話がまとめるためには時間が必要となるだけでなく、話し合いが平行線になった場合には訴訟を提起することにもなります。
3 訴訟を提起する場合
訴訟を提起すると、不倫をされた側の配偶者が、証拠をもって不貞行為の存在等の主張立証をします。
裁判所で主張立証を行う場(期日といいます)は、1~2か月に1回程度の開催となります。
争点(慰謝料が発生しない事由や、減額要素)が存在し、両当事者が激しく主張・立証をし合うことになった場合、判決に至るまで長期間を要することになります。
4 相手に慰謝料の支払い能力がない場合
交渉で和解をしたり、訴訟で判決が確定したとしても、相手に慰謝料を支払う資力がないことがあります。
このような場合には、強制執行をし、相手側の財産の差し押さえをすることになります。
なお、確定判決も執行認諾文言付公正証書もない場合には、訴訟を提起して判決を確定させないと強制執行をすることができません。