異性の友達との旅行について不倫慰謝料請求が認められるか

　結論としては、配偶者が異性の友達との旅行をすることによって、もう一方の配偶者に対する不倫慰謝料が発生する可能性はあります。

　不倫慰謝料が発生するための法律的な要件のひとつに、不貞行為の存在があります。

　異性との旅行において、不貞行為の存在が認められるかどうかが、不倫慰謝料が発生するか否かに関わってきます。

　以下、不貞行為の定義とその存在の証明、および実務における不倫慰謝料請求について説明します。

　不貞行為とは、基本的には配偶者と不倫相手との間に性的関係があることをいいます。

　そのため、配偶者やその不倫相手に対する不倫慰謝料請求の前提として、性的関係があることを裏付ける証拠が必要となります。

　実務においては、性的関係の存在を直接証明する証拠を取得することは困難なので、間接的な事実を裏付ける証拠で証明することが一般的です。

　配偶者が異性の友達と旅行をしていたという事実は、不貞行為の存在を間接的に裏付ける事実のひとつとなり得ます。

　２人きりでの旅行であることを示す写真などがある場合、より強い裏付けとなります。

　また、同じ宿泊先に一緒に泊っているのか、別々の宿泊先に泊っているのかによって、不貞行為の存在を裏付ける強さは変わってきます。

　不貞行為の存在を裏付ける証拠が揃ったら、不倫慰謝料の請求が可能となります。

　法律上、不倫慰謝料の請求は、配偶者か、配偶者と一緒に旅行に行った異性のいずれに対しても可能です。

　不倫慰謝料の請求は、多くの場合、まずは配達証明付内容証明郵便などで行われます。

　その後、交渉を行い、配偶者や不倫相手が不貞行為の存在を認め、慰謝料の支払い合意する場合には、合意書（「示談書」と呼ばれることもあります）を作成します。

　その後、不倫慰謝料が支払われて終了となります。

　もし交渉がまとまらないという場合には、裁判による不倫慰謝料請求が行われることもあります。